会社を辞める事は悪なのか?
私は今の会社に勤めて8年目にして退職する事にした。
それまでたくさんの退職者を見てきた。
私が印象に残っているのは退職していった人達ではない。
退職する際の周りの人達の反応である。
何故笑顔で送り出せないのか
先程、周りの人達の反応こそ印象的だと書いたが、これは悪い意味で だ。
何故か。
それは必ずと言っていい程、退職する人の事を悪く言う風潮があるからだ。
真面目に働いていた人達ですら。
誰が悪く言うのか。
上司である。
私は飲食店に勤めているので、マネージャーの立場の人達である。
「本当にこの会社で働いてくれてありがとう。」等という会話は聞こえてこない。
どんなに一生懸命仕事に向き合って働いていた人ですらだ。
それを知っていたので、今月で退職する私もおそらく言われているのだろう。
(仲の良い社員の方に聞いたら、実際に言われていたらしい)
何が悪なのか
元々、私が勤めている会社では悪い噂は一瞬にして他の社員に知れ渡る。悪い噂に限って広まるのが早いのである。
じゃあ良い噂はどうか。
全く聞かない。良い噂が回ってきた事など記憶の限りない。
悪い噂というのは、誰々が仕事でやらかしたとか、誰々が問題を起こして降格になるとか、会社や個人にとってマイナス面の大きい話だ。
矛盾してしまうかもしれないが、この記事で私は会社批判をしたいのではない。
何故、退職者を心からの笑顔で送り出せないのか。何故最後なのにも関わらず、陰で悪く言ってしまうのか。
この事がずっと疑問であった。
様々な考えはあるが、退職者が出る事によって、
- 上司は自分の仕事の負担が増える
- 上司は会社からの自分の評価が下がる事への不満
ではないかと私は思う。
1に関しては飲食業界はやはり人手不足という現状がある。誰か1人が退職する事によって、その空いた部分を周りの人間が負担を背負う事になる。1人分の仕事を周りの人間に振り分けるので仕事量が増える事になる。
そして、その店舗が1人退職した後でも円滑に営業できるように
- 近隣店舗から1人異動させる事による人員の補充
- そのまま人員は補充せずに営業していくか
の二択になってくる。
1に関しては、近隣店舗から人員を補充する為、他の店舗にも影響や負担が出てくる。
2に関しては、退職した店舗にいる社員が負担を負う事になる。
どちらにしても、
- 仕事が増える⇒負担が増える
- 会社からの評価が下がる
- しわ寄せがきた他の社員からの不満
等により、マネージャーの仕事は増える事になる。
おそらく こういった理由により、不満を漏らすのではないだろうか。
じゃあ自分の場合はどうなのか?
私は居酒屋の店長を7年以上勤めてきたが、こういっては会社から怒られるが私は「辞めたい」というアルバイトを基本的に止めない。
もちろん理由も聞くし、辞めて欲しく等もちろんない。
現実的な話をすると、求人をかける時に掲載する求人媒体にかかる金額はピンキリだが、それなりの枠で掲載したいのなら10万以上はする。
1回の掲載で4週間10万円。
これは各社様々なプランがあるので、あくまでそれ位の金額はするんだ位に思っておいてほしい。
お金をかけて採用したからこそ尚更辞めてほしくないのである。
退職者が出たらまた求人をかけなければいけなくなり、お金がかかり、利益が減るからである。
しかし私は、その子が辞めたいならその子の人生なので束縛はできないと思っている。
私も、辞めたいと話した時に引き留められるのはありがたい事だが、私がそうしたいと考えているのだから私の人生は尊重してくれないのか、と思ってしまう。
個人の将来より、会社の都合を優先するのかと。
だから私も基本的には辞めたいという子を止めない。基本的には。
他の方が時給が高いからそっちで働くや、大学の留年が決まってアルバイト辞めますや、留学に行くので、等様々な理由はあるが私は基本的には止めない。
そして退職者が出たら、上司から理由を聞かれるし、内容によっては引き留めろと言われる。そして陰で愚痴を言われ評価に繋がる。
私は、会社の評価より個人の自由だと思っていたので、その点に関しての評価は気にしていなかった。その人達の人生だし、仮に引き留めて嫌々働かせたとしてそれは人生を損していると思う。
そして以外にもそういった理由で退職していった子達は、卒業後に定期的にお店にお客さんとして来店してくれる。
卒業して時間が経った時に笑顔で話せる。
そういった瞬間が私は嬉しかったりするし、この仕事のやりがいでもあると思う。
退職する時の今の心境
私は今月で退職するが、退職者側の心境としては 陰で悪く言われていたとしても全く気にならない。
何故か。
もう次の職場や次の環境の事を考えているからである。
次の未来を考えている人間にとって、今勤めている会社はもはや過去になりつつあるのである。
人生の次(未来)を見ている人が退職する会社(過去)の事は考えないのである。
どんなに陰で言われていようと、何も気にならない。
過去の事なのだから。